国際平和論II 
WADA JUN
和田 純 
2単位 
1〜4年 
後期 

の講義を踏まえて、では、平和と繁栄の実現に求められる努力を、国際的なガバナンス(協治)の視点から考える。一つは、「ハードパワー(武力や経済力を基軸とするパワー)」のあり方や、平和実現のための武力介入や「平和構築」といった新たな国際協働などに関わる課題である。もう一つは、より中長期的な観点から、文化、思想、価値観、情報、知識、教育などで相手を魅了する「ソフトパワー」に関わる課題である。
●本講義では、特に、世界の平和構築に向けた日本のこれからの役割を考えることに重点を置く。具体的には、1991年の湾岸戦争への「貢献」以降に日本が経験した分岐点と選択肢を分析し、平和構築の意味を国際的・国内的に考え直すなかから、日本の今後の課題と可能性を考える。と同時に、世界世論を生み出す「言力」などの「ソフトパワー」の増強と、NGOなどのシビル・ソサエティの重要性とその発展に向けた戦略論を考える。
授業計画は次の通りであるが、最新の国際情勢をとりあげることが多いので、進行順や講義回数は変更することがある。  

評価方法: 自分自身で考えることを各自に求めたいので、授業への出席を重視し、授業中の小レポートや中途での課題レポート、期末試験をあわせて総合的に評価する。

テキスト名: 講義に沿って随時プリント等を配布し、VTRも使用するが、資料的に整っていない最新状況も絶えず取り上げるので、新聞や総合雑誌等を常に読むこと。

注意事項: を履修していなければ、は履修できない。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.<序論>冷戦終結後の新たな脅威と平和の構築
2.日本の分岐点1:1991年の湾岸戦争への「貢献」とトラウマ
3.日本の分岐点2:1992年の国際平和維持活動(PKO)の開始
4.日本のPKOの実態と諸課題
5.日本の分岐点3:2001年の9・11テロとテロ対策特措法
6.日本の分岐点4:個別自衛権・集団的自衛権・集団安全保障
7.日本の分岐点5:ODA・復興支援・平和構築
8.日本の分岐点6:「平和の定着」・「国つくり」
9.シビル・ソサエティ(NGOなど)の役割・パートナーシップ・ネットワーク
10.「世界世論」とソフトパワー
11.戦争を起こさないシステムと平和を構築するシステム
12.<まとめ>平和構築に向けての日本の可能性