国際平和論I 
WADA JUN
和田 純 
2単位 
1〜4年 
前期 

●20世紀ほど世界が戦乱に明け暮れ、膨大な人々が被害を被った時代はない。と同時に、20世紀ほど真剣に平和が希求されてきた時代もない。そうした経験があるにもかかわらず、1990年代に入って冷戦が終結し、グローバリゼーションや情報技術革命が進展すると、世界では前にもまして民族紛争や内戦が激化し、国際テロや核開発などが大きな脅威となりつつある。そうした中では、「国際平和」が何を意味し、「平和」がどういう状態を指すのか、具体的なイメージをなかなか描けなくなってきた。平和の阻害要因は多様化し、平和を目指すシステムも複雑化して充分に機能していない。
●本講義では、20世紀を対象に、こうした「戦争・破壊と国際平和の希求」の流れを歴史的かつグローバルに振り返る中から、これまでの経験と課題を概観し、その将来の展望と選択肢を考える。
授業計画は次の通りであるが、進行順や講義回数は変更することがある。  

評価方法: 自分自身で考えることを各自に求めたいので、授業への出席を重視し、授業中の小レポートや中途での課題レポート、期末試験をあわせて総合的に評価する。

テキスト名: 講義に沿って随時プリント等を配布し、VTRも使用するが、資料的に整っていない最新状況にも触れるので、新聞や総合雑誌等を常に読むこと。

注意事項: Iを履修しなければ、は履修できない。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.<序論>20世紀=戦争と平和希求の世紀
2.戦争のグローバル化:20世紀はMega Deathの時代
3.平和のグローバル化:20世紀における国際平和の希求
4.21世紀の世界は何に直面しているか
5.日本の経験(戦前の軍事大国・歴史の継続)
6.日本の経験(戦後の経済大国・一国平和主義)
7.自衛隊の誕生から今日まで
8.日米同盟の成立から今日まで
9.冷戦終結・グローバリゼーション・情報技術革命の進展と新たな脅威の出現
10.9・11テロは何をもたらしたか
11.世界の変化と新たな課題
12.日本の変化と新たな課題
13.<まとめ>「国際平和」とは何を意味するのか