地域・国際研究講座は、毎年専門分野の異なる専任教員を講師に迎え、さまざまな角度から「共通のテーマ」について考えてゆくオムニバス形式の講座です。本講座の目的は、私たちが直面する重要で普遍的なテーマについて基礎的知識や問題点を学びながら、それをテコにして地域・国際研究への学習意欲と問題意識を深めてゆくことにあります。 今年は、「21世紀の国際関係を考えるーアメリカという国の可能性と問題点」という共通テーマについて13回のレクチャーを聞きながら、受講者と考えてゆきます。 ところで「20世紀はアメリカの世紀」だったとよく言われます。アメリカは、軍事、経済・金融、科学技術、情報など様々な分野で絶大な影響力を行使してきました。とくに冷戦終結後、「唯一の超大国」としてアメリカはグローバルな力を発揮しています。しかしその反面、2001年9月11日の同時多発テロに見られたようにアメリカの一極支配や価値観の押しつけに対する反発も強く、世界各地に反米感情を生み出しています。また世界最大の環境汚染大国でありながら「京都議定書」から離脱したり、化学兵器禁止条約からの離脱など自国の国益を重視して単独行動を取る傾向が強くなっています。 この13回のレクチャー・シリーズでは、アメリカのこうした行動や価値観、国力の大きさとその限界性など様々な問題について、各担当教員がそれぞれの視点に立ってアメリカという国について分析を加え、平易な解説と問題提起を行います。受講生の皆さんは、それをヒントに自らの頭で考え、自分なりの考えを持てるように期待しております。 最初の授業の時に、この講座の全体像(テーマと担当教員)を紹介します。
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