現代国家論II 
AOYAMA HARUKI
青山 治城 
2単位 
1〜4年 
後期 
現代国家の諸理論

「国家」は自然的なものであり、理論的に正当化される必要のないものだと考えられる場合もある。しかし、長い政治哲学、倫理学の伝統は、ある意味で国家正当化の試みであったと言っても過言ではない。まして、歴史的に形成されてきた近代国民国家がいろいろな点で綻びを見せ始めている現在、その正統性の根拠と限界を見極めることはきわめて重要なことである。テロリズムと正当な抵抗権の行使との違いなどが、その具体的な問題の一つである。
本講義では、こうした点について、思想史的および理論的に考察していきたい。  

評価方法: 毎回の理解度を測るために書いてもらう小レポート(各回5〜7点)と、最後に最も関心をもったテーマに即してまとめてもらうレポート(30〜40点)の総合評価。

テキスト名: 田中浩『国家と個人』岩波書店

参考文献: 山内昌之『21世紀の民族と国家』日本経済新聞社
小林誠・遠藤誠治『グローバル・ポリティクス』有信堂
授業計画は、ほぼテキストの内容にそったものであるが、順序や内容について変更される場合もある。参考文献に指定したものは、その都度参考にしていく。

注意事項: 出席重視。欠席が多い場合、最後のレポートを受け取れないことがある。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.近代国家とは:
2.法の支配と民主主義:
3.近代国家論の誕生(ホッブズ):
4.議会制民主主義(ロック):
5.人民民主主義(ルソー):
6.政治的保守主義とドイツ思想:
7.ベンサムの功利主義と社会主義:
8.社会進化論の流行:
9.「福祉国家」観の形成:
10.近代日本とリベラリズム:
11.ファシズムと民主主義:
12.市場(資本主義)アナーキズム:
13.国家とエスニシティ:
14.まとめ:
国民国家の射程