社会思想史II |
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現代における愛の思想 |
愛は社会の構成原理たりうるか。ヨーロッパの近代社会思想は、「個人」の権利や利益を中心にすえて、それができるだけ多く実現する社会を理想として掲げてきた。そうした個人主義的思想に対して、根本的批判を提起しているのが、近年の「共同体主義」であり、フェミニストたちである。あるいは、そもそも「社会」とはそうした「個人」としての人間からなるのではないのではないかという根本的疑問を提起する社会学理論もある。 本講義では、前期でのいわば「愛の概念史」を踏まえて、新しい、非個人主義的な社会思想を取り上げたい。近代のある哲学者は、結婚を「男女の間における生殖器の相互利用契約」と定義していた。まさにこれこそ、個人主義的、啓蒙主義的近代社会思想の典型であるが、多くの人はグロテスクに感じるのではないか。だが、同時に個人の意志を無視して愛が強制されたり押しつけられたりするのもまたいかがわしい。 近代的社会思想の主流を占めるリベラリズムの伝統に対するいくつかの批判的論点を、「愛」の観点から捉えなおしてみたい。 |
評価方法: | 出席および、数回の小レポートと最終レポートによる総合評価。 |
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注意事項: | 各回の授業計画はあくまで予定であり、変更される場合もある。 |
授業計画―――――――――――――――――――――――――――――― |
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