文化について考える 
ITO KEI
伊藤 敬
HONDA SEIJI
本田 誠二
 
2単位 
1〜4年 
後期 
〈家族〉とは何か

最近、ことに低成長時代が世界的に本格化した70年代後半以降、家族のあり方、そして家族についての受け止め方が大きく変わってきたように思われる。それは社会がものつくりから情報の方に重点が移動し、IT化や情報化が進み、人々のつながり方もそれにつれて大きく変貌してきたからに他ならない。その結果、家族の概念が希薄化して、いままで大きな価値を占めてきた家族の地位が揺らぎ始めている。こうした傾向に歯止めをかけるべくアメリカを始めとする先進諸国では、家族の価値を再認識し、家族をもっとも大切な人生の価値だとする考え方に戻しつつあるようにみえる。この動きには例の9月11日の同時多発テロが大きく左右した。国家ナショナリズムと家族は密接に関連しているからである。この授業ではこうした現在を見据えて、もう一度あらためて原点から家族のあり方を考え直す機会にしたい。  

評価方法: 各授業での小レポートと期末レポートで評価する。出席を重視する。

テキスト名: 初回授業時に指示する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.オリエンテーション(伊藤、本田)哲学思想から見た家族(樋笠) 9・17
2.民俗学から見た家族(窪田) 9・24
3.東南アジアにおける家族(皆川) 10・1
4.儒教社会 韓国における家族関係(未定) 10・8
5.動物学的・心理的に見た家族(矢部) 10・15
6.タイ仏教と出家(石井学長) 10・22
7.文化人類学から見た家族(吉田) 11・5
8.スポーツ学から見た家族(冨松) 11・12
9.情報化社会と家族(中山) 11・19
10.親密圏とジェンダー理論から見た家族(松井) 12・3
11.スペイン系社会における家族(本田) 12・10
12.教育学から見た家族(伊藤) 12・17
13.ハンガリーにおける家族(ヒダシ) 2004・1・7
14.試験 2004・1・14