比較思想IB 
HIKASA KATSUSHI
樋笠 勝士 
2単位 
1〜4年 
後期 
九鬼周造の哲学

比較思想の考え方や原理、その現場を学ぶことによって、思想を相対化するという見方を養う。
今期は、九鬼周造を読むことにする。明治から大正、昭和への歴史の流れの中で、何人かの日本人学者は西洋に留学し、西洋思想や哲学・科学を学んで帰朝した。そこで必ず起こるのは日本人とは何かという問題、或いは日本文化のアイデンティティの問題である。九鬼は、彼自身のある種の思いから、結果として、「日本の哲学」と表現できる非西洋的な独自の思想をつくりあげ、哲学の世界に貢献したとすることができる。本講座では、そこで生じたと想定される彼の中での「東西の対立」を考えてみたい。  

評価方法: 試験を中心にして判断する。

参考文献: 中村元『比較思想論』岩波全書、1981年
テクスト講読で使用する文献については授業中にて指示する。参考書は適宜紹介する。

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.「比較」とは何か。その行為の遍在性と意義
2.「思想の相対化」の方法と分野
3.相対主義の評価と今後
4.比較思想の主題としての「東西」
5.中村元『比較思想論』梗概
6.九鬼周造の哲学について
7.九鬼周造を読む1
8.九鬼周造を読む2
9.九鬼周造を読む3
10.九鬼周造を読む4
11.九鬼周造を読む5
12.九鬼周造を読む6
13.九鬼周造を読む7
14.九鬼周造を読む8