意味・語用論 
TOKUNAGA MISATO
徳永 美暁 
4単位 
2〜4年 
前期 

言語が、我々の思考を深め、他者とのコミュニケーションの手段として使用されるということは、その使用される言語について話し手と聞き手の間に共通した知識がなければならない。その知識とは文構造の規則や語彙の意味、そしてその語や文が使用される適切な語用規則であろう。このクラスでは、まず言語の「意味」とは何か、ということについて考えながら、意味分析の手法を学ぶ。そして、コミュニケーションの手段としての言語を考える場合の「意味論」の限界と、語用論との境界線について考える。このクラスでは、学生は深く思考することが求められる。  

評価方法: 評価は、出席、課題提出、発表、クラスディスカッションへの参加、プロジェクトペーパーなどの総合点が最終評価となるので、どれもおろそかに出来ない。

テキスト名: Yule, George, Pragmatics, Oxford University Press, 1996.
Blakemore, Diane. 1992. Understanding Utterances: An Introduction to
Pragmatics. Oxford: Blackwell武内道子・山崎英一(訳)
『ひとは発話をどう理解するか』ひつじ書房
メーナード・泉子、1993『会話分析』くろしお出版
メーナード・泉子、1997『談話分析の可能性』くろしお出版
西光義弘、1997『日英語対照によるー英語学概論』くろしお出版

注意事項: 英語のテキストを詳しく読み、意味と語用についてのメカニズムを探る事を要求されるので、言語に深い興味をもち、且つ思考することが好きであるという事が要件となる。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.言語学概論・意味分析について
2.意味論と語用論の境界線
3.語用論の定義
4.意味論と語用論に於ける概念:ダイクシス(直示)
5.話者と他者との距離概念
6.対象という概念
7.推測という概念
8.話し手と聞き手の「前提」
9.話し手の「意図」と聞き手の「解釈」
10.発話における「含意」とは
11.会話における「協調の原理」
12.発話行為
13.ポライトネスの普遍性
14.会話における規則性
15.談話における規則性