スペイン現代史II 
TOKADO KAZUEI
戸門 一衛 
2単位 
2〜4年 
後期 
現代スペイン社会の総合分析

民主化のプロセス(1976年以降)、新憲法の成立(1978年)、中央集権体制から地方分権体制への移行、社会労働党政権の政治(1982−96年)、EC加盟(1986年)、国民党政権の政治(1996年―現在)、ユーロの現金流通、バスク・テロリズム、女性の意識変化と社会進出、失業問題、移民問題、多文化主義、ヨーロッパ市民の意識形成など、現代スペインの新しい潮流について分析する。この講義の目的は、スペインの個別事情に詳しくなることではなく、大きな体制変革が行われる時や急速な国際化の波を受けた時に、社会構成員間の利害衝突を回避しつつ、効率的で公正な新システムをいかに構築するか、古い価値観と新しい価値観とをいかに両立させるか、という根源的命題について考察することにある。  

評価方法: 出席点 約25点、自由課題レポート 約15点、筆記試験 約60点の計100点で評価する。

テキスト名: 基本参考文献を授業中に指示する。適宜プリントを配布する。

参考文献: 楠・タマメス・戸門・深澤『スペイン現代史』大修館書店、1999年

注意事項: 政治や社会問題に関心のある、スペイン語学科以外の学生にも受講を勧める 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.民主化のプロセス
2.民主中道連合政権とモンクロア協定
3.新憲法の成立
4.新憲法の分析:新しい社会的枠組
5.中央主権体制から地方分権体制へ
6.社会労働党政権の成立
7.EC加盟のインパクト
8.社会福祉国家と経済自由主義
9.国民党政権の成立
10.経済通貨統合への対応
11.女性の意識変化・社会進出/失業問題
12.地域間の多様性と多文化主義
13.移民問題
14.ユーロ導入とEUにおけるスペイン