スペイン文学史I 
HONDA SEIJI
本田 誠二 
2単位 
1〜4年 
前期 

今日のスペインの精神的遺産のほとんどすべては、スペイン黄金時代(16、17世紀)において形成された。この時代はまた対立と激動の時代でもあった。この講義ではスペイン国民の精神史をたどるべく、12世紀から17世紀に及ぶスペイン文学の精華を概観することによって、スペイン的なるものの本質を追求する。  

評価方法: 定期試験と出席点、平常点を加味して総合的に判断する。

テキスト名: 本田誠二『スペイン文学史』私家版、1996年

参考文献: 牛島信明『スペイン古典文学史』名古屋大学出版会、1999年
有本紀明、東谷『スペイン文学史』白水社、1980年
授業の最初に参考文献一覧を提示する。

注意事項: 授業は講義方式で行い、スペイン語の知識は求めない。ただし人名やその他の事項でスペイン語を使って説明する場合が多多ある。多くの作品に和訳があり、それに基づいて説明するので、図書館で前もって予習しておくことが望まれる。出席が何よりも重要であり、ノートをしっかりとることが求められる。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.スペイン文学とはなにか。文学史の範囲と定義
2.作者不詳『わがシッドの歌』と他のスペイン叙事詩
3.ゴンサロ・デ・ベルセオ『聖母マリアの奇蹟』とマリア伝説
4.フアン・ルイス『良き愛の書』−諧謔と饒舌
5.ドン・フアン・マヌエル『ルカノール伯爵』と教訓文学
6.ロマンセーロ『エル・シッド』と伝承歌謡
7.ディエゴ・デ・サンペドロ『愛の牢獄』と感傷小説
8.モンタルボ『アマディス・デ・ガウラ』と騎士道小説
9.フェルナンド・デ・ロハス『ラ・セレスティーナ』−対話小説の傑作
10.ガルシラーソ・デ・ラ・ベーガ『牧歌』とルネサンス詩
11.アントニオ・デ・ゲバラ『都をけなし、田舎をたたえる』とルネサンス散文
12.フアン・デル・エンシーナ『プラシダとビトリアーノの牧歌』とルネサンス演劇
13.バルトロメ・デ・ラス・カサス『インディアスの破壊に関する簡潔な報告』と航海者たちの記録
14.まとめ(予備日)
15.定期試験