英文学講義B |
|
|||||
『ハムレット』を読む |
聖書のカインとアベルのように、兄弟同士のライヴァル意識は時に殺人をも引き起こす。クローディアスは兄であるデンマーク王をうらやんで暗殺し、王位と王妃を簒奪する。兄弟殺しで幕を開ける『ハムレット』は、家族の悲劇でもある。 ハムレットの父の亡霊は、叔父を殺して復讐するよう息子に命ずる。だがクローディアスは今や、ハムレットにとって王であり、母ガートルードの夫でもある。父権制的ルネサンス政体の中で、王殺しは大罪である。もし亡霊の話が真実でなければ、ハムレットは地獄に落ちて永遠に罰せられることになる。ハムレットは、息子が父に抱いてしかるべき愛と義務ゆえに、死へと追いつめられていく。 キリスト教的な考え方に基づく、ハムレットの倫理的葛藤や苦悩の過程をたどりながら、独白を軸として『ハムレット』を読んでいく。 |
評価方法: | 期末試験により評価する。 |
テキスト名: |
|
授業計画―――――――――――――――――――――――――――――― |
|