日米比較文化論 
TAKANO YASUSHI
高野 泰 
4単位 
1〜4年 
後期 

アメリカ文化を別な言葉で表すならば「大衆文化」と呼ぶことが妥当であろう。アメリカの大衆文化は、現代のわれわれ日本人にとっても当然の存在になっている。しかしながら、アメリカ文化が日本文化と互換可能なものではないことは、もちろん論を俟たない。本講義ではアメリカの大衆文化を異化しつつ読解することで、日本の文化を見直す視座の形成を目指す。同時に、カルチュラル・スタディーズの方法論や文化的ヘゲモニーといった問題も紹介して、文化研究の可能性を探っていく。  

テキスト名: 参考資料(音楽・映像を含む)・ホームページは講義中で紹介していく。

参考文献: 中村とうよう『ポピュラー音楽の世紀』岩波新書、1999年
中村とうよう『アメリカン・ミュージック再発見』北沢図書出版、1996年
キャサリン・チャールストン『ロック・ミュージックの歴史・・スタイル&アーティスト』音楽之友社、1997年

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.文化の定義と人類学の影響――人類学の英米の二つの流れと比較の方法論
2.文化研究の現在・・カルチュラル・スタディーズを中心に
3.政治文化――アメリカ政治に見る意味と象徴の体系
4.大衆文化――大衆としての労働者と余暇の創出
5.音楽1)アメリカ音楽の特徴
6.音楽2)黒人音楽の源流――霊歌とブルース
7.音楽3)商業音楽としてのポップス
8.音楽4)ロックンロールの誕生
9.音楽5)抗議音楽としてのフォークからフォーク・ロックへ
10.音楽6)アメリカ音楽の再解釈としてのイギリスからの侵略
11.音楽7)サイケデリック――象徴としてのロック
12.音楽8)「産業ロック」――ロックの肥大化と細分化
13.音楽9)ラップ・ヒップポップ――ジャンルの再構成
14.音楽10)今日のロックとインターネットのインパクト
15.結論