英語統語論IA 
KUWABARA KAZUKI
桑原 和生 
4単位 
1〜4年 
前期 
脳内文法:文構成の原理を探る

どんな言語の話し手・聞き手も、新しい文を無限に創り出し、それを理解することができる。この言語の「創造的使用」は、一見するとあたりまえのことのように思われるが、その背後にはあたりまえではない、どの言語にも共通し、高度に組織化された規則性を持つ「言語の仕組」が存在する。そのような仕組が脳に内在しているからこそ、話し手・聞き手は無意識に文を組み立てそれを理解できると考えられる。()文を組み立てる際に、話し手が暗黙のうちに従っている規則性、言語の仕組とは、どのようなものか。()その規則性はどのように獲得されるのか、などの言語に関する究極の問いについて考察する。  

評価方法: 中間試験と期末試験によって判定する。

テキスト名: Stephen Crain and Diane Lillo-Martin, An Introduction to Linguistic Theory and Language Acquisition, Blackwell, 1999.

注意事項: 「英語学概論」の単位を取得済みの学生を対象とする。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.子供はいかに言語を獲得するか。
2.言語理論と言語獲得:プラトンの問題
3.文の基本構造
4.句構造規則とX'理論(1)
5.句構造規則とX'理論(2)
6.名詞句の内部構造
7.句構造と多義的な文
8.子供の句構造に関する知識
9.指示表現に課せられる制約
10.構造依存性:Yes-No疑問文
11.Wh-Movement(1)
12.Wh-Movement(2)
13.子供のWh-疑問文に関する知識
14.Wanna縮約
15.まとめ