英語音声学B 
SEKIYA YASUSHI
関屋 康 
4単位 
1〜4年 
前期 

この授業は、英語音声学の基礎知識を習得することを第一目標とする。まず、発声のメカニズムを理解した上で、調音音声学の観点から、英語の母音、子音について勉強する。次に音節と子音連結、語強勢、リズム、イントネーションを取り上げる。最後に自然な発話における様々な音変化(音縮小、音脱落、同化等)を扱う。特に日本語の音声との違いに注意を払いながら講義を行う。また、講義と併せて実際の発音の練習も行う。英語の音声に関する理論的な知識を習得することだけでなく、受講者の英語発音の上達も目指す。  

評価方法: 中間試験:40 %
期末試験:40%
出席(クイズ、ワークシート):20%

テキスト名: 竹林滋・渡邊末耶子・清水あつ子・斎藤弘子『初級英語音声学』大修館書店、1991年

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.音声言語によるコミュニケーション:Speech Chain
音声学の3分野:調音音声学、音響音声学、聴覚音声学
音声分析の単位:談話、発話、音節、分節音(音素)
2.現代英語の標準発音
アメリカ英語の方言と一般米語(General American: GA)
イギリス英語の方言と容認発音(Received Pronunciation: RP)
発声のメカニズム:(1)initiation;(2) phonation(発声)(3)articulation(調音)
音声器官と音の分類
3.母音の分類法
基本母音
英語の母音 I
  強母音と弱母音
抑止母音と開放母音(短母音と長母音・二重母音)
4.英語の母音
  前舌母音
  後舌母音
  中舌母音
5.英語の母音
二重母音:英語の二重母音と日本語の連母音
三重母音
  /r/-母音
6.英語の母音
  弱母音
強勢アクセントと母音の音質の関係
日本語の母音の特徴(英語との対比において)
  母音の無声化
7.英語の子音
 子音の分類
 妨げ音(Obstruent)
閉鎖音/破裂音
摩擦音
破擦音
8.英語の子音
共鳴音(Sonorant)
 鼻音、
 接近音(approximant)
   流音:側音、R音(rhotic)
半母音
9.音節
 子音群
 音節主音的子音
 英語の音節構造と日本語の音節構造
10.アクセント
 語アクセント
 複合語アクセント
 英語の強勢アクセントと日本語の高低アクセント
 句アクセント
 強形と弱形
11.リズム
 強勢のリズム
 交替のリズム
 強勢の移動
 等時性と詩歌、わらべ歌
 英語の強勢リズムと日本語の音節リズム
12.イントネーション
 音調群と音調核
 下降調
 上昇調
 平板調
 特殊なイントネーション
13.イントネーション
 下降調
 上昇調
 平板調
 特殊なイントネーション
14.自然な発話における様々な音変化
 音縮小:機能語の強形と弱形
 音の脱落と添加
15.自然な発話における様々な音変化
 同時調音
 同化
 異化