| １． | はじめに：
ビデオ（「私が憲法に向き合うとき」）を見ながら、日本の「社会」における憲法の意味を考える。日本国憲法改正の論議が高まり、一部には憲法の廃止を説く者もある昨今、改めて近代憲法の基本的な意味を捉え直す必要性について理解を深める。 |
| ２． | 近代憲法と人権：
近代立憲主義の意義と人権尊重原理との関わりを考える。日本国憲法97条と98条の関係についての理解が重要になる。 |
| ３． | 法治主義と法の支配：
似て非なる両者の違いを理解するとともに、日本国憲法の基本思想がどちらにあるのかを考える。 |
| ４． | 人権とは何か：
人権の概念とその歴史を概観するとともに、道徳的概念としての人権と法的概念としての人権の違いを理解する。 |
| ５． | 人権の主体：
Human Rightsは humanか、人権の主体は「人間」か「個人」か「国民」か、を考える。 |
| ６． | 民族や団体の権利：
ここから人権各論に入り、アイヌ新法にいうアイヌ「民族」や企業の権利について考える。「女性」や「子ども」の権利と一般的人権との関係も問題になる。 |
| ７． | 外国人および自然の権利：
定住外国人の権利保障は日本人の場合とどう違うのか、また環境問題を考える時、木や河も権利を持つと考えることはできないのだろうか。 |
| ８． | 法の下の平等：
この原理の意味を、日本国憲法だけではなく各種の関連条約も参照しながら、男と女、年齢や収入による差別、婚姻と同棲の違いなど、具体例に即して考える。 |
| ９． | 信教の自由と政教分離：
靖国神社の問題や宗教法人のあり方など、具体例に則しながら、国家と宗教との関わり合いについて考える。 |
| 10． | 思想および表現の自由：
芸術性と猥褻性、公務員の選挙活動、放送の自由、プライバシーと表現の自由の問題などを通して、守られるべき自由の程度と範囲について考える |
| 11． | プライバシーの権利：
所謂「盗聴法」や「住民基本台帳法」が成立し、IT革命の進展する現在、プライバシーは格段に侵害されやすくなっている。改めてプライバシーの意義を考える必要性が高まっている。 |
| 12． | 生存権：
一般に「生存権」と言われる権利は、生活保護法などによる経済的保障だけでなく、「人間に値する生存」quality of laifeの問題をも含むために、安楽死や尊厳死の問題に関わってくる。 |
| 13． | 教育を受ける権利と義務：
われわれはなぜ、何を勉強しなければならないのだろうか。教育する権限をもつのは国家か、親か、教師か。こうした問題について考える。 |
| 14． | 経済的自由と精神的自由：
グローバリズムの意味はなお不確定なところがあるが、経済的な意味では比較的理解しやすいであろう。そのことが精神的、文化的自由に及ぼす影響について考える。 |
| 15． | まとめ：
日本国憲法には明記されていない新しい人権が主張され、人権のインフレーションが起こっていると言われることがある。環境権や同性愛の権利といったものを例に、新しい人権概念、人権思想について考える。 |
