哲学IIB 
HIKASA KATSUSHI
樋笠 勝士 
2単位 
1〜4年 
後期 
「美しい」ということについて考える

「美しい」という概念について考える。
 端的に「美しいもの」に触れたとき、我々は凝固する。その強烈な体験は、触れた対象の強い牽引力(魅力)のおかげである。比喩的に表現すれば、「美しいもの」は眩い輝きである。眩しくて見られないが、しかし見ざるをえないものである。人生の中でどれほどそのような体験があるか、その頻度は問題ではない。少なくとも、我々はそのような体験を想定することができ、そのような体験に憧れている。その事実の方が重要である。それは何故か。問いはふくらむ。更に、そもそも「美」とは何なのか、と。
 このような価値をめぐる問題を皆で考えてゆきたいと思う。  

評価方法: 試験で判断する。

テキスト名: 適当なテキストを教室にて指定する。参考書は適宜紹介する。

注意事項: 授業は人数が少なければゼミ形式をとる予定である。 

授業計画――――――――――――――――――――――――――――――
1.序論
2.「真・善・美」という価値群の中での美の位置
3.「美しい」の意味について
4.古典的な美の概念―その普遍性
5.美的無関心性―美は利益を生むか
6.生きることの美
7.反古典的な美の概念―悪の美
8.多様な美的範疇
9.「芸術は美しい」という言説
10.「芸術は美しくない」という言説
11.「美的なもの」の多様性
12.存在と美
13.結び:問題の整理