平易なスペイン語で書かれた会話文を読みながら、ラテンアメリカの自然環境・人種構成・多様性・歴史・文化・政治・社会経済などについて理解を深める。同時にスペイン語の語彙力と読解力を養成する。前期は、以下の内容にそって、随時、関連のビデオを観て、それに解説を加えながら授業を進める。 1)豊かな天然資源や石油、海洋資源を背景に、1994年に発足したNAFTA(北米自由貿易協定)をはじめ、今年秋に締結予定の日本・メキシコ自由貿易協定などより一層の経済の活性化が期待されるメキシコを訪れ、ユネスコの世界遺産にも指定されたメキシコシティの歴史地区、ソチミルコ、テオティワカンの古代遺跡、「彩りの国」とも呼ばれ、先住民インディヘナの人口が多くを占めるメキシコ南部オアハカ地方、ミステカ・サポテカ古代遺跡、ユカタン半島の「白亜の都市」メリダ、野口英世の足跡を訪ね、マヤ古代遺跡、を旅する。 2)中米グアテマラから、密林に眠るマヤの古代遺跡ティカル、キューバ(ハバナ)を訪れ、コロンビアのカリブ海沿岸を旅し、ノーベル文学賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケスの揺籃の地「マコンド」を訪ね、赤道直下の国エクアドルに入り、ユネスコの世界遺産都市キトまで旅する。 3)アンデスの世界、ペルーの首都リマ、日系社会を訪れ日本とペルーの絆を考え、インカ帝国の都クスコ、アンデスの山頂に築かれた「空中都市」マチュ・ピチュを訪れ、海抜4000メートルのアンデス高原アルティプラノを列車で旅し、ティティカカ湖をフェリーで渡り、ボリビアの首都ラ・パスを経由し、陸路アルゼンチンに入る。スペインからの独立後、ヨーロッパ移民政策によるパンパの開発、「ヨーロッパの穀倉」とまで呼ばれた農畜産物の輸出経済の飛躍的な発展を背景に「近代化」を推進し、ヨーロッパの雰囲気が漂い、タンゴの調べが流れる港町「南米のパリ」に変貌をとげた首都ブエノスアイレスを散策する。
|