わたしのソウルフード-食べ慣れたものから普段着の文化をさぐる⑧

第8回:顧姍姍先生(中国語エリア:中国、安徽省合肥市出身)


祝日にいただく安徽省の伝統的なお菓子

-緑豆糕(リュードガォー)

落雁に似た緑のお菓子
 これは、緑豆で作った干菓子です。緑豆に砂糖などを加えて、型に入れて蒸したもの。見た目は、日本の落雁に似ています。原料が緑豆ですから、色はちょっと渋い緑色。ただ、黄色いのもあります。
 小豆類特有の風味で、甘くて濃厚な味です。お茶と一緒にいただきますが、気をつけて食べないとボロボロ落ちてきます。中国で買えば、4つで14元くらいです。日本で言えば、一個70円くらいの感じです。

中国の東部は濃厚な味が好まれる
 安徽省の伝統的なお菓子で、だいたい祝日にいただきます。新年などお年始に行くときに持って行ったりして、普段はあまり食べません。いまでもありますが、若い人受けはしません。昔の方がもっと好まれたのは、時代の流れでしょう。
 わたしの育った中国の東部は、濃い味が好きな地方性があります。しょう油味が大好きです。豚足でも牛肉でもしょうゆ味で料理することが多いでしょう。日本のしょう油は甘い感じがしますが、中国のものはもっと濃厚です。

甘いご飯は
 京都にいたとき、ほんのり甘いご飯がでたことがあります。安徽出身の者にとっては、ご飯が甘いのはありえません。ただ、お粥は甘いものがあります。八宝粥(バーバオジョウ)は、ナッツやドライフルーツが入った甘いお粥です。また、南の地方では、揚げパン(油条)を、砂糖でまぶしたご飯で包んで食べることがあります。甘いおにぎりといった感じでしょう。
 日本では、最後はお茶漬けでということも多いですが、中国でお茶漬けは怒られます。消化に良くないと思われていて、行儀悪いことでもあるのです。