わたしのお茶の時間-食べ慣れたものから普段着の文化をさぐる part.2-①

スヨト先生(インドネシア:バニュワンギ出身)

 

3回目の礼拝のあとがお茶の時間

 インドネシア全体を考えると、決まった時間にお茶をとるという文化はありません。

 ただ、わたしにはお茶の時間があります。それは、昼の礼拝のあとです。わたしはイスラム教徒ですから、一日5回礼拝を行います。3回目の昼の礼拝のあとが、ちょうど多くの人がお茶を取る時間にあたるのです。インドネシアのイスラム教徒で、この時間に休憩する人は多いでしょう。同じ職場ならば、同僚同士で一緒に休憩しながら話をしたりします。

 

飲み物は甘いのが特徴

 そのとき取る飲み物はコーヒー(kopi)です。インドネシアのコーヒーは、コーヒーメーカーを使いません。挽いたコーヒー豆にお湯を注いで、そこにたっぷりの砂糖を入れます。ミルクは入れません。飲むのはもちろん上澄みだけです。砂糖も昔は黒砂糖を使いました。いまはヤシから作った砂糖を使います。インドネシアの飲み物は、一般的に甘いのが特徴です。砂糖を入れないお茶は、漢方薬のようなものだけでしょう。

 インドネシアに行ったときは、”Tawar(砂糖なしで)”と言わないと、自動的に砂糖がたっぷり入ったものが出てきます。

 

3種類のコーヒーは苦みが違う

 普段飲むコーヒーは、トラジャ・コーヒー、バリ・コーヒー、ルアック・コーヒー(コピ・ルアック)の3種類があります。トラジャ・コーヒーはトラジャ地方原産で、バリ・コーヒーはその名の通りバリ島のもの。ルアック・コーヒーは、ジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆を使ったもので、希少なため高価です。

 味は、トラジャ、バリ、ルアックの順に苦みが強くなります。わたしは、バリ・コーヒーが好きです。

 

キャッサバから作った伝統的なお菓子

 コーヒーを飲むときは、お菓子も食べます。わたしは伝統的なお菓子が好きです。キャッサバの芋を、ココナッツと黒砂糖で煮たものや、バナナの葉で包んで蒸し焼きにしたものなどは、毎週食べていました。ただ、キャッサバを育てるところが少なくなって、こうしたお菓子も少なくなりました。8月のわたしの誕生日には、大学時代の同級生を呼んだのですが、そのときは一週間前から注文しておかなければなりませんでした。

 いまは、市場に売っているお菓子を食べるのが普通になっています。

 

楽しいことは長くのんびり

 お茶の時間の一番のこだわりは、のんびりするということです。インドネシアでは、楽しいことはのんびりやろうとします。30分以上はかかるでしょう。その場が楽しければもう少し延びたりします。

 金曜の礼拝は、日本在住のイスラム教徒も集まって行います。お祈りのあとは、インドネシアの大使館の人たちとティータイムになるわけですが、これも長くなってしまうことがあります。

 「おっ、もう3時だ。帰ろう」なんていうこともあるわけです。ですから、学生たちにも、インドネシア大使館に用があるときは、金曜以外の日に行くように言っています。

 日本でもインドネシア式のコーヒーを飲んでいます。帰国したときには、コーヒー豆をたくさん買って来るのです。

 

若者向けのカフェも増えてきた

 いまは、インドネシアもカフェが増えて、若者たちは夜そこに集まっているようです。スターバックスもありますが高いです。安いところでは60円くらいなのが、10倍くらいします。まあ、ここに行くことがステータスの一種なのでしょう。スタバの前には自動車が並び、中流のカフェの前はバイクが並びます。お菓子は、パンやドーナツです。

 わたしたちが若かった頃は、友人の家に集まったものでした。家族も知り合いですし、金持ちの友だちの家にはテレビもありましたから。

 

一部の地域には独特のお茶の文化も残る

 ジャワ島中部のテガル(Tegal)には、テ・ポチ(Teh Pochi)というお茶のブランドがあります。そこでは焼き物の急須を使ってお茶を入れる文化があります。もともとオランダ植民地時代から茶葉を作っていて、その伝統が残っているようです。ただ、これも砂糖は入れます。