現地に留学する感覚を味わいながら、日常の言語と生活文化を学ぶユニークな空間。
それがMULC(Multilingual Communication Center)です。
MULCではコミュニケーションのための新しい学びが可能です。
中国語、スペイン語、韓国語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語、ブラジル・ポルトガル語の7つの言語エリアには、各々の生活文化を代表する街並みや建物が再現されています。
ネイティブの先生や留学生と出会って会話できるだけでなく、パソコンを使って各言語のテレビやラジオを視聴したり、音楽CDを聴いたり、DVDで映画を観ることができます。
インターネットを利用することもできます。
さらに、インターナショナルエリアには、ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロシア語、アラビア語、そして留学生のための日本語の教材・ソフトがそろっています。
ここでも、パソコンで各言語の音楽CDや映画のDVDを楽しんだり、参考書を使って自習するなど、自由に利用することができます。
センター長よりメッセージMULCで「擬似留学」と「多言語・多文化コミュニケーション」を!
2009年にオープンしたMULCは、地域文化を肌で感じることのできる美しい空間と、留学生やネイティブの先生との交流の機会、地域文化や社会についても学べる多様な教材・資料を提供し続けてきました。
MULCに足を運び、現地の雰囲気を肌で感じながら先生や留学生、同じ興味をもつ仲間と交流することは、「擬似留学」という形の最も優れたアクティブ・ラーニングです。
また、MULCには7つの地域言語と文化が一空間に集約されていますので、誰でも垣根を超えてすぐに多様な言語、文化に触れることができます。年間を通じて工夫を凝らした様々な文化イベントも開催されます。是非、MULCで「擬似留学」と「多言語・多文化コミュニケーション」をしてみましょう。
多言語コミュニケーションセンター長 吉田 京子
(グローバル・リベラルアーツ学部・准教授)
各エリア紹介
■ 中国語エリア / Chinese Area
古典庭園の佇まいに、中国の伝統的な風景を凝縮
蘇州にある古典庭園「拙政園」と「留園」は、世界遺産としても有名。
ここでは、ロマンと華やかさに満ちたそんな中国庭園を再現しています。
注目は、中国庭園の定番ともいえる太湖石。
幾つもの穴が空いていて、ちょっと不思議な形をしたこの石を、昔の中国の人たちは大変珍重しました。
■ 韓国語エリア / Korean Area
伝統家屋・韓屋で昔ながらの庶民の暮らしと出会う
家の中央に小さな庭空間を持つ、瓦屋根の平屋で造られた韓国の伝統家屋・韓屋(ハノク)がモチーフです。
床下に積まれた薪は暖房のオンドル用のもの。
以前はこうした薪を燃やし、煙を床下に通して部屋を暖めていました。
どこかしら懐かしさを感じる空間から、庶民の伝統的暮らしがしのばれます。
■ インドネシア語エリア / Indonesian Area
人と自然が調和した、色鮮やかなバリの生活風景
バリ島の伝統家屋は外壁に囲まれ、門を入るとすぐに衝立状の壁があります。
これは悪霊の侵入を防ぐアリン=アリンと呼ばれる壁。
悪霊は直進しかできないため、入ろうとすると壁に衝突し気絶してしまう、と信じられています。
こうした独特な建築様式を中心に、インドネシア生活風景が垣間見える空間です。
■ ブラジル・ポルトガル語エリア / Brazilian Portuguese Area
熱帯の大地に育まれた多文化融合の魅力を伝える
ポルトガルのコロニアル建築を彷彿させる美しい白壁のアーケードには、アズレージョと呼ばれる青い装飾タイルがお似合いです。
鳥の模型やコーヒーの麻袋、民族楽器などの装飾品は、ヨーロッパやアフリカの文化が熱帯の自然と融合して生まれたブラジル社会の魅力を存分に伝えています。
■ スペイン語エリア / Spanish Area
花々に彩られたパティオに人々が集い語らう
アンダルシア地方の美しい都市コルドバ。
その旧市街では涼気をとるため、白く塗られた塀で家を四角く囲み、真中をパティオ(中庭)にしています。
壁にたくさんの植木鉢が掛けられた空間は、風通しの良い吹き抜けの場所。
家族や友人たちが集まって憩います。
そんな民家に見られるパティオを再現しました。
■ インターナショナルエリア / International Area
東洋と西洋の間のニュートラルな場所
東洋エリアと西洋エリアを区分するスペース。
神田外大では、8つの専攻言語の他にもさまざまな言語を学ぶことができます。
国籍にとらわれないこのエリアは、そうした世界のいろいろな小物が配置された多言語空間です。
■ ベトナム語エリア / Vietnamese Area
さまざまな文化が混在し独自の文化を育む街並み
ベトナム中部にあるホイアンの旧市街には、100年以上前からの木造家屋が立ち並ぶ街並みがあります。
世界遺産にも登録されたこの港町には、日本文化のほか、中国文化や少数民族チャム族の伝統文化が、ところどころに残っているのです。そのホイアンの旧家の店舗となる部分を再現しました。
■ タイ語エリア / Thai Area
金色の伝統建築・タイの代表的風景のなかに立つ
バンコクを歩けば、そこかしこに見える金色に輝く建築物。
ここでは、朱の柱に豪華な細工が施された屋根を持つ「サーラー」を再現しました。
サーラーは、日射しや雨などを逃れる休憩所ですが、ときには集会所や社交の場にもなります。
街や村でも普段に見られる施設で、タイ王国のシンボルにも選ばれました。