交換留学体験記(嶺南大学校)


落合優 (20222月〜202212)

 

 

私は大邱に近い嶺南大学校に2学期間留学していました。この大学は韓国国内で2番目に広い敷地を持っており、学部も様々です。また、地方に位置しているからか韓国語を学びに来ているわけではなく、アジアの中の国として遊び感覚で来ている欧米の交換留学生が多いのも特徴です。交換留学生には、履修登録や生活面をサポートしてくれるBuddy Program、留学生が英語や日本語を教えるLanguage Partner Program(LPP)、交換留学生の現地の出身校を紹介するInternational EXPO、名所に訪れるField Tripなど多様なプログラムが用意されています。

1学期目は、主に留学生専用の授業(国際学部)を履修していたため、ほかの留学生とかかわることが多かったです。そのため、韓国語と同時に英語を使う機会にも恵まれました。主に台湾やタイ、ベトナムの友達と韓国語で話し、チリ、メキシコ、オランダ、フランス、ルーマニアなどの友達とは英語で話します。特にルームメイトがルーマニア人だったので授業以外は英語で話すことが多かったです。印象深い思い出として、野良猫を助けようとして車道に飛び出していったが失敗に終わったときに、ベトナム人たちがみんなで慰めてくれたこと、深夜に台湾人とホットクを作ったこと、ルームメイトとケンカして英語で言い返せなかったこと、文化祭終わりに朝まで英語で話し続けたことがあります。

2学期目は、1学期目の韓国語を話す機会が思うように得られなかった反省を生かして、現地の学生たちが取る科目を中心に履修し、ルームメイトも韓国人にしてもらいました。日本人の需要が高く、なかなか授業内で見ることのない交換留学生として先生に必ず紹介してもらえるおかげで、学生に声をかけてもらえることが多く、友達も一気に増えました。授業内容も一段と難しくなり、LPPプログラムに加えて友達と遊んだり勉強で夜中まで図書館にこもるなど、どっぷり韓国人学生の生活に浸って過ごすことができました。

 ソウルでないところに行くのをためらう人も多いですが、私は本当にこの大学に来てよかったと思っています。メリットとして、方言が話題になる、地理的に旅行に行きやすい、日本人の需要が高いということが挙げられます。日本に戻ってきてから「韓国の方言を使う日本人」として認識してもらえたり、釜山や蔚山、浦項、慶州に日帰りで行けたり、日本人が少ないが日本語を勉強したい人が多かったという経験があります。ただし、一人暮らしはあまりお勧めできません。地方で家賃が格安なだけあって、暮らしている層もよくありません。ほかの留学生に後をつけられたときに、寮暮らしだったおかげで助けられたことがあります。また、不動産屋も客層をよくわかっているので、外国人一人で行くと正常な判断をできなくしてきます。その点、周りに助けを求める力が付いたり、人のやさしさを感じられたいい経験ではありますが、やはり注意が必要です。総じてとても中身の濃い良い経験を嶺南大学校で得ることができました。