交換留学体験記慶熙大学ダブルディグリー編)

 


中薗 梓(20182月〜20202月)

 

「百聞は一見に如かず」

 

この交換留学体験記を覗いているということは、慶熙大学のダブルディグリーに興味がある学生だと思います。歴代の先輩方の交換留学体験記を読むと、本当に自分でもダブルディグリー生としてやっていけるのかどうか不安になってしまう学生もいるかもしれません。ダブルディグリー生として留学を終えた今、先輩方が仰っている事は強ち間違いではなかったなと思います。私たちが学んでいるものは生きている言語であり、流動性のあるものです。どう頑張っても私たちはネイティブにはなれず、どこまで行っても第二外国語学習者です。しかし、如何にそれを楽しむかが私たちにとっての課題になると思います。

先輩方の交換留学体験記でも書かれていたように、慶熙大学のダブルディグリー制度では、韓国語を学ぶのではなく、韓国語をどのようにして韓国語学習者に効率的且つ有意的に教えるのかを韓国語で学びます。専門用語との出会いは日々耐えることを知らず、また慣れない文化にも馴染めずに途方に暮れることもありました。ただ、これも見方を変えれば常に‘新しいこととの出会い’でした。留学先での初めての授業、期待と不安に心を踊らせながら席に着いたことを生涯忘れる事はないと思います。偶然か必然かは分かりませんが、受講した授業で出会ったネイティブの友達や日本にあるよりもっと本格的で味も美味しいサムギョプサルのお店(後に行きつけになります)など、留学していたからこそ知ることができて、触れられるものたちばかりでした。

しかし、これらの経験全ては行動しないと始まらないものです。人伝に聞いた事と実際に自分で経験する事には大きな違いがあります。ダブルディグリーのことでなくても、何か好きなことややりたいことを見つけたのなら、行動に移さないといけません。勿論、様々な事情があるのは重々承知ですが、自分で動いてみないと分からないことだらけなんです、世の中は。慶熙大学のダブルディグリー生としての留学が決まり、そわそわとする気持ちを抱えながら留学について情報を集めている最中、韓国留学をしたことによって韓国を嫌いになったと話す人もいました。その話を聞いてから小一時間程怖気づいたのですが、やはり韓国のことやその他諸々全てを含め何事でも、万が一嫌いになるとしても自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分で触れた後で、自分から嫌いになりたいと強く思いました。当初は、不安とそんな思いを抱きながら毎日を過ごしていたと思います。そして留学の全課程を終えた今、そのようなことなど全くありませんでした。そもそも、国を好きか嫌いかで判断すること自体おかしいと今なら分かるのですが、あの頃の私にはおかしいと思える感覚や私自身の判断材料が手薄だったので仕方ないと思います。これらも全て経験してきたからこそ皆さんに伝えることができます。誰かの言葉で感化されるのではなく、自分から触れてみることが重要です。そして、今これを読んでいるあなたにとっても私の言葉は誰かの言葉です。これからの後輩のために留学WEBやこの交換留学体験記においても、つらつらと言葉を残しましたが所詮は誰かの言葉です。いつだって自分を信じて自分の納得のいく道を選んでください。

そして最後に、慶熙大学にダブルディグリー生として留学が決まった皆さんへ。おめでとうございます。他の交換留学制度にはない異色な存在であるダブルディグリーについて不安も多いかと思います。しかし、それを原動力にして不安なことや分からないことは直ぐに解決してください。留学生活において感じた事は、学校側はそれ程親切ではないという事です。再三言っていますが、自らが動かなければ誰も教えてくれません。情報収集は徹底的に行うことを忘れないでください。そして、既に賽は投げられたと思って‘新しい出会い’に存分に触れてみてください。皆さんの留学生活が皆さんの人生にとってかけがえのないものとなるよう祈っています。

ここまで蛇足を混じえながら文字を書き連ねましたが、この交換留学体験記が誰かの背中を押すものになることを願って筆を置くこととします。神田外語大学と慶熙大学における学生としての4年間をサポートしてくださった全ての方々に感謝します。ありがとうございました。

 


大金友香20182月〜20202月)

 

わたしはダブルディグリー生として2年間慶熙大学に通いました。

授業の事や生活のことなど細かなことは留学レポートに書いたので、ここでは総まとめのような形で留学の感想を述べていこうと思います。

22年間生きてきて留学生活はたった2年と短い期間でしたが、私の人生の中で1番大きく成長できた期間でした。楽しいことも辛いことも経験し、初めて気づくことも沢山ありました。韓国語も留学に行く前よりは成長したし、様々な経験をしたことで生きていく術も学びました。

留学し始めてすぐの頃、韓国人の友達を作りたくて一度はサークルに入りましたが、特に友達が出来ることもなく終わりました。大人数でわいわいお酒を飲むのが苦手だったり、消極的な性格の私には合わなかったようです。

しかし、授業のグループ活動やチュータリング活動などを通して気の合う友達が出来ました。ある程度の勇気と積極性も必要ですが、自分に合った方法で楽しく生きていくのが私にとっては1番だなと気づく事ができました。

また、人は1人で生きているものではないとよく言いますが、この留学生活を通じて、周りの助けがあるからこそ生きていけるんだということを実感しました。

難しい勉強を手伝ってくれたり、似たような環境だからこそ理解し合える友達がいて、いつも味方で居てくれる家族がいて、ここには挙げられないほど沢山の方が支えてくれたおかげでこの留学生活を無事に終えることが出来ました。

語学力の向上だけでなく沢山のことを経験し学べる留学は、どんな形であれ誰もが成長できる1つの手段だと思います。これから留学しようと考えている方達が楽しく実りある留学生活を送れるよう祈っています!

 


末木万尋20182月〜20202月)

 

 

私は慶熙大学へダブルディグリーで留学をしたのですが、最初は韓国の大学で現地の学生と同じように授業を受けることに対して、不安な気持ちが大きかったです。実際に韓国に行って授業を受けたり現地の学生とコミュニケーションをとるうえでも、留学してすぐの頃には難しさを感じていました。しかし、韓国でチューターの方々に手助けをしてもらい、神田から一緒に行った友人たちの力も借りつつ、授業や日常生活で韓国語に慣れていくことで1学期が終わるころには韓国語のリスニングが留学当初よりもできるようになり、自分の気持ちを自発的に伝えることもできるようになり韓国留学に楽しさを感じることができるようになっていました。

私が留学をしていて辛かったことは、大学の授業内容についてです。慶熙大学の水原キャンパスでは、韓国語の教授法や文化についての授業を主に学びます。もちろん外国人専用の授業で基本的な文法や語彙等を学ぶこともできますが、それだけでは卒業に必要な単位を満たすことができないので教授法などの授業も受講しなくてはなりません。私は、どちらかというと基本的な韓国語の能力を上げたくて留学をしていて、教授法などについては興味がなかったため、授業に楽しさを感じることができず、日々の授業や試験勉強をするうえでストレスを感じることが多々ありました。私のように、文法や語彙などの基礎的な部分を勉強したいという方にはダブルディグリーの留学は授業内容の観点だけで見ると少し辛いかもしれません。しかし、韓国語の教授法や韓国の文化などにとても関心がある方や韓国語の先生になりたい方にはとてもおすすめしたい授業内容だと思います。

最後に、2年という期間留学をするということに不安を感じる方が多くいると思います。しかし、2年間は行ってみればとても短い期間であり、最初は慣れず辛いことがあるかもしれませんが、とても有意義で楽しい時間になると思います。また、就活という点で悩む方もいると思いますが、ダブルディグリーで留学していても日本での就活が不可能というわけではありません。もっと韓国語の実力を上げたいと思っている方や、現地でもっと韓国語について学びたいと思っている方はぜひ留学にチャレンジしてもらえたらいいなと思います。