異文化コミュニケーション研究所
    Intercultural Communication Institute

 
研究プロジェクト成果

 

(2004年4月〜2005年3月
異文研共同研究プロジェクト)


『外語大における多文化共生:
留学生支援の実践研究』


 サウクエン・ファン(研究代表者)
遠山千佳・徳永あかね
堀内みね子・村上律子

2005年3月発行、非売品

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本報告書について

第T部 概要

研究プロジェクトの概要

第U部 留学生支援について

神田外語大学留学生受け入れの現状と支援システム

第V部 分析と考察

協働としての留学生支援活動
−留学生の母語を使った来日直後の留学生支援から(遠山千佳)

ソーシャル・サポートの尺度を用いた分析の試み
−別科から進学した中国系留学生を対象として(徳永あかね)

大学入学直後の日本語パートナー活動を通した留学生の自信獲得プロセス研究
−修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた分析(堀内みね子)

アメリカ人留学生のソーシャル・ネットワークとホストとの親密化
−支援制度による接触を中心に(村上律子)

開かれた日本語教室
−ビジター・セッションと外語大のグローバリゼーション(サウクエン・ファン)

第W部 実施報告

「実践日本語」におけるビジター・セッションの実施報告(サウクエン・ファン) 

学部留学生支援実施報告・日本語パートナー活動
−留学生と受け入れ学生との良質な友人関係形成をめざして(堀内みね子)

第X部 体験報告

本報告書について

 本報告書は神田外語大学付属の異文化コミュニケーション研究所の助成を受け、2004(平成16)年4月から翌2005年(平成173月の1年間行われた『外語大における多文化共生』と題する研究の成果報告を公刊することを目的とする。

 本報告書は第T部から第X部までの5つから成る。第T部では、本研究プロジェクト発足の経緯、概要を中心に述べ、第U部では、研究の背景となる本学の留学生支援システムとその概略を説明する。続く第V部は現行の留学生支援システムを検証し、外語大における多文化共生についての可能性を論じたものであり、次の5本の論文で構成される。遠山の「協働としての留学生支援活動−留学生の母語を使った来日直後の留学生支援から−」は、来日直後の留学生に対する支援活動が、異文化交流を培うための支援側と被支援側の双方向的な学びの場となっていることを述べる。徳永の「ソーシャル・サポートの尺度を用いた分析の試み−別科から進学した中国系留学生を対象として−」ではソーシャル・サポートの尺度を用いて別科から学部に進学した学生への質的分析を試み、今後、支援の現状を把握する一つの尺度としての可能性を提唱する。堀内の「大学入学直後の日本語パートナー活動を通した留学生の自信獲得プロセス研究−修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた分析−」では、大学入学直後の留学生が日本語パートナー活動で知り合った先輩学生と友人関係を形成していくなかで留学生活全般への自信獲得過程を質的研究で明らかにする。村上の「アメリカ人のソーシャル・ネットワークとホストとの親密化−支援制度による接触を中心に−」では、アメリカ人短期留学生および交換留学生が日本で構築したネットワークを国籍別に検討し、支援制度による接触を中心に彼らとホストとの親密化のプロセスを質的研究により明らかにする。ファンの「開かれた日本語教室−ビジター・セッションと外語大のグローバリゼーション−」では、日本語学習のアクティビティーとして行われるビジター・セッションの紹介とその意義について述べる。ビジター・セッションは、大学コミュニティに開かれることで、日本語学習者だけでなく母語話者である一般学生の異文化理解を深め、結果として大学全体の真のグローバリゼーションに貢献することを論じる。

 第W部では、現存のシステムがどのように行われているのか、実施報告を収録した。これは、同様に留学生支援システムを運営する他大学、他教育機関の参考になればと思う。第V部、第W部が学内の多文化共生に向けての支援システムを運営する側からの分析であるのに対し、第X部には学生の視点からみた留学生支援システムについての意見と感想をまとめた。ここに寄せられた体験報告は今回の報告書の主旨を説明した上で、各自に執筆を依頼したものである。自らが外国語を学び、かつ、異なる外国語を母語とする人たちと学内で共生していくことについて、大学院生、学部生の違い、ホスト国(日本)学生、ゲスト国(留学生)の違いが伺える。

 以上の各留学生支援担当教員、及び留学生支援活動に関わった学生たちの視点が反映された本報告書は、今後、留学生支援に携わる場合の参考にして頂ければ幸いである。

 

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