異文化コミュニケーション研究所
    Intercultural Communication Institute

 
研究所刊行物

 


 『日本人とグローバリゼーション』


 河合隼雄、石井米雄 著

 講談社+α新書 1-2A
 2002年4月20日発行
 

 臨床心理学者で文化庁長官である河合隼雄氏の講演と本学の石井米雄学長との対論をとおして、グローバル化の時代をいかにたくましく生きるかを探る。 一つのモデルに頼るのではなく、矛盾を内包させながら個性を発揮し、魂の次元で異文化と対話を重ねていくことの重要性が、縦横無尽な経験談をもとに平易な言葉で説かれる。 国際対話能力を身につけ、和魂でも洋魂でもない球魂(地球の魂)を求めようという示唆に富んだ一冊。

 当研究所主催第11回夏期セミナーにおける、河合隼雄氏基調講演と、河合氏vs石井米雄本学学長対談の全容が、 講談社より『日本人とグローバリゼーション』として刊行されました。極めて示唆に富む内容が平易な言葉で語られています。
ぜひ、ご一読ください!

毎日が異文化コミュニケーション/「はい」と「イエス」の大差/
相手との心理的な距離の取り方/言語表現を伸ばす法/
「話がつきました」の日米差/感謝の気持ちの出し方/
言語以前の関係をつくれる日本人/めちゃくちゃな英語をしゃべろう/
日本的センス・オブ・ユ ーモア/世界とつきあうための必須知識/その他

(異文研夏期セミナー対談「グローバリゼーションと異文化コミュニケーション」の様子2001.9.2)

 河合−日本人は"I am sorry."と"I don't know."の二つで世間を渡れると思っている。・・・・私がフィリピンにいたとき、友だちが向こうの大臣に会うという約束で、四時間待ったんです。ところ が相手はとうとう来なかった。カンカンになって怒っていたら、大臣から手紙が来た。それに"I am sorry."と書いてあると思ったら、謝罪どころか"It's pity."(お気の毒さま)と書いてある。
 石井−私はイギリスにいるとき、非常に腹が立ったことがありました。隣の家に五歳になる子供がいたんですが、彼は"I don't understand."とは絶対に言わないで、"I am not convinced."(私は説得されていない)と言うんです。「おまえがアホだから、私をコンビンスできないんだ」という論法。私は非常に劣等感を感じてロンドンを去ったことを覚えています。(本文より)

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