異文化コミュニケーション研究所
    Intercultural Communication Institute

 
第38回 異文研キャンパス・レクチャー・シリーズ

 

タイトル

ベンチャー・スピリッツ--国際起業へ
   −完璧さではなく夢をもとめて−

講  師

宮内 亮 氏  (起業家)

司  会

和田 純 (本学教授、当研究所所長)

日  時

2004年12月14日(火) 17:00〜19:00

場  所

ミレニアムハウス

会場整理費

 300円(当日払い)
 講師紹介
 1966年生まれ。24歳で不動産コンサルティング会社を設立し、さらにコンサルティングファームを設立して、経営コンサルティングやベンチャーキャピタル業務等を行う。01年に米国法人Delight New York Consulting, Inc.を設立して最高経営責任者。02年には潟Oローバルシンカーズを設立して代表取締役社長。若者の海外雄飛を支援するNPO法人「Go Global」の副理事長も務める。
 講演会報告 (奥島美夏、異文化コミュニケーション研究所)

 若き起業家(38歳)の宮内亮氏は、10代から20代前半までロックバンドに明け暮れ、活動資金の確保のために起業を思い立ったという。それを期に、常に楽しいことを思い描きながらビジネスに励み、ついには米国へも雄飛した。ニューヨークで起業した途端に9.11テロという大事件に遭遇するが、それにも屈せず、完璧さではなく夢をもとめる姿勢を貫いてきた。講師はそうした思いと体験を、これからの将来を模索し始めた学生たちと「ベンチャー・スピリッツ」を合言葉に共有したいと願っている。
 講師は弱冠24歳で不動産コンサルティング会社を設立し、その後は経営コンサルティング、株式公開コンサルティング、ベンチャーキャピタル業務等を行ってきた。さらに、2001年にはニューヨークで会社運営をサポートする米国法人コンサルティング会社DELIGHT NEW YORK CONSULTING, Inc.を開設した。当地では「すべての人は何かを売ることによって生きて」おり、例えば19歳で3人の子持ち女子大学生が衣料を安く仕入れて売っていたり、移民がハンドプリンティング機械で印刷したTシャツを売りながら事業を大きくするなど、日々刺激を受けていたという。起業家をめざす者は、こうした起業機会を逃さないためにも日頃から旅行や人との交流、多様なイベントへの参加、趣味や読書などによって自分の世界を広げ、感性を磨くことが大事である。また、各企業で募集するインターンシップを利用することは、新しい分野のビジネスを学ばせてもらう貴重な機会である。
 一方、講師は良い構想が浮かんでも、それだけでは起業できないと指摘する。その構想が顧客にとって魅力的か、自分の事業環境の中でうまく進められるか、そのために適切な技能をもった仲間がいるか、など現実面をみすえて迅速に判断ができる人間が起業家に向いている。その他、礼儀正しく人間的魅力を備えているか、行動力や問題処理能力があるか、リスクテイクができるか、将来的な展望を描けるか、なども成功する社長の条件であるという。現在4社の代表と4社(米国2社)の取締役に就任している講師の率直でパワフルな体験談は、聞く者を大いに鼓舞するものであった。

【参考】
ドリームゲート起業家100人の挑戦日記: http://dblog.dreamgate.gr.jp/user/e026/e026/
ロック流経営塾: http://akira-project.ameblo.jp
デライトニューヨークコンサルティング: http://www.delight-ny.com
 


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